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技能実習制度廃止!新たな「育成就労」とは

最終記事更新:令和6年6月18日
執筆(文責):行政書士 野村 篤司

「技能実習制度」に代わる「新しい在留資格(育成就労)」制度

制度改正の経緯:「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」で起案

「育成就労」制度の創設に至るまでの経緯としましては、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)及び出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)の附則」に基づき、技能実習制度及び特定技能制度の検討が求められてたことから、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議(以下「関係閣僚会議」という。)の下、両制度の施行状況を検証し、課題を洗い出した上、外国人材を適正に受け入れる方策を検討し、関係閣僚会議に対して意見を述べることを目的として、令和4年11月22日、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議の開催が決定されておりました。そこで、まとめられた「最終報告」が右の通りです(ダウンロード可能)。

 

最終報告書(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議))
最終報告書(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議)です。
最終報告書(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議).pdf
PDFファイル 902.3 KB

最終報告書の概要1枚目(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議)
最終報告書の概要1枚目(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議)
最終報告書の概要2枚目(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議)
最終報告書の概要2枚目(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議)

この「提言」を基として、従来の「技能実習制度」を廃止し、新たな在留資格「育成就労」制度に移行させる法案が可決されるに至りました。「育成就労」制度への見直しのイメージは下図の通りです。

 

「育成就労制度」への変更後のイメージ

技能実習制度の見直しのイメージ図(法務省作成資料より転載)
技能実習制度の見直しのイメージ図(法務省作成資料より転載)

従来の「技能実習制度」はどうなる?

技能実習制度は「廃止(発展的解消)」され、「育成就労制度」に移行となります

従来の「外国人技能実習制度」は、1993年に制度化され、日本で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転することによって、当該地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として創設された「国際貢献」制度です。しかし、年間で1万人以上の行方不明者(失踪者)が発生したり、「実態」は単なる「労働力」として雇用されていたりと、日本国内だけではなく、国外から多くの問題が指摘されていました。そういった批判の高まりを受けて、2017年11月には、「外国人の技能実習の適正な実務及び技能実習生の保護に関する法律(通称:技能実習法)」が施行され、新たな技能実習制度がスタートしました。これにより、技能実習制度の適正化がある程度図られることとなっていました。

 

一方、日本の人手不足は深刻であり、特定の産業分野に限定される形で、これまでの在留資格「技術・人文知識・国際業務」よりも雇用しやすい就労可能な在留資格制度が構築されました。これが、2019年4月からスタートした「特定技能制度」となります。

 

今回、問題の多い「技能実習制度」は廃止(発展的に解消)され、実態に合わせて「人材確保と人材育成を目的」とした新たな在留資格に移行することとなりました。これが「育成就労」制度となります。なお、新たな法律名は、「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」(育成就労法)となりました。

 

「特定技能制度」との位置づけは?「育成就労」とは何が違う?

新たな「育成就労制度」は、育成就労産業分野において、特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することを目的とされています。政府は基本方針及び分野別運用方針を定めるものとし、分野別運用方針において、各分野の受入れ見込数を設定するものとする、とされており、「特定技能制度」と非常に似た制度設計がされています。

 

新たな「育成就労」は、「特定技能1号」へステップアップする前段階の位置づけです

参考資料1 新制度と特定技能の連携に関するイメージ図
参考資料1 新制度と特定技能の連携に関するイメージ図

「育成就労制度」と「特定技能制度」の違い(比較表)

「育成就労」制度 比較項目 「特定技能」制度

就労を通じた人材の育成と確保

制度趣旨 深刻化する人手不足への対応

育成就労法(※1)

/出入国管理及び難民認定法

根拠法令 出入国管理及び難民認定法

2027年6月14日法案成立

(公布から3年以内に施行される予定)

制度開始 2019年4月1日~

監理支援機関

(外部監査人設置義務あり)

支援機関

登録支援機関

(但し、自社支援の場合を除く)

外国人育成就労機構

/出入国在留管理庁/地域協議会

監督・相談機関 出入国在留管理庁/協議会
「育成就労」 在留資格名 「特定技能1号」「特定技能2号」
3年(原則) 在留期間 5年(通算)

育成就労産業分野

(原則として特定産業分野と一致)

雇い入れ可能な産業分野

特定技能産業分野

(本記事執筆時点で計16分野)

あり

受入れ人数の制限

あり

(転籍先で育成就労計画の認定が必要)

「本人意向の転籍」可否

特定技能1号への変更

期限満了後の想定進路

特定技能2号(等)への変更

※1…正式名称は「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」。

「育成就労制度」のポイントは4つ!

ポイント①「特定技能制度」と同じ「特定産業分野」に限られる

従来の「外国人技能実習制度」で認められていた産業や職種の全てで認められるわけではなく、特定技能での就労が可能な特定産業分野に限られる点が非常に重要です。つまり、従来は技能実習制度を受け入れられていた職場において制度の移行と共に、継続雇用(※実習)が不可能になるケースが生じて得ます(経過措置は設けられています)。

 

なお、特定産業分野は、2024年5月1日時点では、介護」「ビルクリーニング」「工業製品製造業」「建設」「造船舶用工業」「自動車整備」「航空」「宿泊」「農業」「漁業」「飲食料品製造業」「外食業」「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の計16分野に限定されています(※令和6年3月29日閣議決定により分野追加)。

 

「育成就労産業分野」については、「特定技能産業分野」と「原則一致」させるが、「国内での育成になじまない分野は育成就労の対象外」とされています。

 

ポイント②一定の条件を満たせば、本人の意向による「転籍」が可能に!

従来の「外国人技能実習制度」では、「やむを得ない事情がある場合のみ」しか転籍することができず、このことが様々なトラブル(失踪や劣悪な労働条件での就労等)の要因の1つとされてきました。新制度である「良く背う就労」では、一定の条件を満たせば、「本人の意向」による転籍が可能とされました。これは、雇用する企業側からすれば、「せっかく雇用しても、どこかへ転職してしまうかもしれない。好条件、良い職場にしなくちゃ。」といった動機付けが期待されます。但し、「転籍」の際には、転籍先において新たな育成就労計画の認定を受ける必要があり、事務的なハードルが高いことから、転籍先の受け入れ企業からすれば「容易に転職できるようになった」とはとても言えるものではないことに留意頂く必要がございます。

 

ポイント③送り出し機関に対する「支払手数料」を受け入れ機関も一部負担することに!

従来の「外国人技能実習制度」では、多くの技能実習生たちが「送り出し機関」と呼ばれる団体・企業に対して、多額の手数料を支払い、「借金を背負った状態」で来日していました。このことが「技能実習を辞めたら借金が返せなくなる。不法就労してでも日本で働かないといけない。」といった発想に繋がり、多くの失踪者・不法就労者を発生させる大きな要因の1つとされてきました。新しい「育成就労」制度では、この「支払手数料」自体の適正化(二国間協定に基づく取り締まり強化)に加え、「受け入れ企業側も一部を負担する」とされました。これにより、受け入れ企業としては、「監理団体」に支払う監理手数料以外に、外国人本人が負担してきた「送り出し機関への支払手数料」についてもある程度負担することとなりました。

 

ポイント④従来の「技能実習監理団体」は「監理支援機関」に制度変更!

従来の技能実習制度における「技能実習監理団体」については、「監理支援機関」という名称となり、「外部監査人」の設置が許可要件とされました。なお、「管理」ではなく、「監理」ですので、漢字間違いにもご注意ください。また、「外国人技能実習機構」も廃止され、新たに「外国人育成就労機構」が設立されることになりました。

 

結局、「育成就労」で雇うべき?「特定技能」で雇うべき?

「育成就労」よりも「1号特定技能外国人」から雇用した方が「教育コスト」は低くなる

従来の「技能実習制度」が廃止され、新たに「育成就労」制度が出来たわけですが、外国人労働者の専門家の立場から申し上げれば、「育成就労で雇用するメリットが薄く、技能実習制度業界における激変緩和措置としか思えない」のが正直なところです。そのため、「育成就労」からスタートさせる意味があまり見いだせず、多くの企業にとっては、「1号特定技能外国人を雇用すれば十分」です。また、「永住許可」までを希望される外国籍労働者も少なくありませんが、永住許可申請の要件として計算できる「在留期間」についても、「特定技能2号」以降からが対象となっています。永住を目指す外国籍労働者にとっては、1年でも早く永住許可申請ができることを望まれると思いますので、その意味でも、「育成就労期間」はもったいないように思います。当然ながら、「監理支援機関」に支払い費用を考えて、「教育コスト」も余計にかかるでしょう。

 

「外国人雇用」のご相談は、特定技能シェルパへご相談下さい!

育成就労→特定技能1号→特定技能2号(・介護)→永住許可申請(就労制限なし)へ!

「育成就労制度」が出来たことで、「特定産業分野」に位置する日本企業にとっては、真正面から「労働力確保の手段」が1つ増えたこととなります。しかし、制度の全体や在留資格制度全般の知識が無くては、適切な外国人雇用や人材戦略は描けません。「本当に育成就労でいいのか?監理団体の助言は適切なの?」と少しでも疑問に思われるのであれば、「登録支援機関」としても5年以上の実績を有する「行政書士法人エベレスト」へお気軽にご相談ください。

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