特定技能「漁業」の制度概要まとめ
特定技能「漁業」分野の概要について
1.特定技能「漁業」分野の受入予定人数について
特定技能「漁業」分野では、2019年以降の5年間で20,000人程度の人手不足が見込まれており、特定技能外国人の受入れは5年間で最大9,000人を見込んでいます。
この人数に近づいた場合は、在留資格認定証明書の交付の停止等の措置が講じられる可能性がありますので、受け入れ予定の事業者様は早めに申請するように注意しましょう。
2.特定技能「漁業」分野の特定技能外国人が従事することが出来る業務内容について
特定技能「漁業」分野の特定技能外国人が従事することができる業務は、漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、植物の採捕、漁獲物の処理・保護、安全衛生の確保等)および養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、動植物の収獲(収穫)・処理、安全衛生の確保等)となっています。なお、業務の対象は、以下の日本標準産業分類に該当する事業者または当該分類に関連する業務を行う事業者が行う業務となっています。
03 漁業(水産養殖業を除く) 及び 04 水産養殖業
3.特定技能「漁業」分野の特定技能外国人が従事できる関連業務について
特定技能「漁業」分野においては、上記業務に加えて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(例:①漁業に係る漁具の積込み・積下ろし、漁獲物の水揚げ、漁労機械の点検、船体の補修および自家原料を使用した製造・加工・出荷・販売等)に付随的に従事することは差支えありません。ただし、もっぱら関連業務のみに従事させることは認められません(これは、他の特定技能分野と同様です)。
4.特定技能「漁業」分野における外国人本人の基本要件について
特定技能「漁業」分野における日本語能力水準の要件として、「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」に合格した者、または第2号技能実習を良好に修了した者となっています。これらの日本語能力試験に合格した者及び第2号技能実習を良好に修了した者は、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有するものと認められ、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を有する者と評価されます。
5.特定技能「漁業」分野の特定技能外国人が有すべき技能水準について
特定技能「漁業」分野において特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人は、「漁業技能測定試験(漁業)」または「漁業技能測定試験(養殖業)」に合格した者、または漁業分野の第2号技能実習を良好に修了した者となっています。
この試験は、漁業における一定程度の業務について、監督者の支持を理解し的確に遂行できる能力または自らの判断により遂行できる能力を測り、漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等を行うことができるレベルであることを認定するものです。試験に合格すると、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものと認められます。
(1)漁船漁業に関連する第2号技能実習(漁船漁業職種8作業:かつお一本釣り漁業、延縄漁業、いか釣り漁業、まき網漁業、ひき網漁業、刺し網漁業、定置網漁業、かに・えびかご漁業)を良好に修了した者については、当該技能実習で修得した技能が、1号特定技能外国人が従事する業務で要する技能の根幹となる部分に関連性が認められることから、修得した技能が漁船漁業の職種に属する作業のいずれに係るものであっても漁業の業務で必要とされる一定の専門性・技能を有し、即戦力となるに足りる相当程度の知識または経験を有する者と評価され、「漁業技能測定試験(漁業)」を免除されます。
(2)養殖業に関連する第2号技能実習(養殖業職種1作業:ほたてがい・まがき養殖作業)を良好に修了した者については、技能実習で取得した技能が、1号特定技能外国人が従事する業務で有する技能の根幹となる部分に関連性が認められることから、修得した技能が養殖業職種に属する作業のいずれに係るものであっても養殖業の業うで必要とされる一定の専門性・技能を有し、即戦力となるに足りる相当程度の知識または経験を有するものと評価し、「漁業技能評価試験(養殖業)」を免除されます。
6.特定技能「漁業」分野の技能評価試験の実施状況について
技能評価試験は日本語(ひらがな、カタカナまたはふりがなを付した漢字)を用いて行われ、筆記試験と実技試験があります。年3回程度、国外または国内で実施を予定されています。その他、試験についての詳細は、試験実施主体である『一般社団法人大日本水産会』のホームページで随時ご確認ください。
7.特定技能「漁業」分野の所属機関に求められる要件について
特定技能「漁業」分野の特定技能外国人が所属する機関には、特に以下の条件が課されます。
1.労働者派遣形態(船員派遣形態を含む。)の場合、特定技能所属機関となる労働者派遣事業者(船員派遣事業者を含む。)は、地方公共団体または漁業協同組合、漁業生産組合もしくは漁業協同組合連合会その他の関連する業務を行っている者が関与するものに限る。
2.「漁業特定技能協議会」に加入すること。
3.「漁業特定技能協議会」において協議が整った措置を講じること。
4.特定技能所属機関および派遣先事業者は、協議会およびその構成員に対し、必要な協力を行うこと。
5.漁業分野の外国人を受け入れる特定技能所属機関が登録支援機関に支援計画の全部または一部の実施を委託するにあたっては、漁業分野に固有の基準に適合している登録支援機関に限る。
7.特定技能「漁業」分野の特定技能外国人の雇用形態
特定技能「漁業」分野において、「漁業分野の事業者を特定技能所属機関とする直接雇用形態」および「労働者派遣事業者を特定技能所属機関として外国人を漁業分野の事業者に派遣する労働者派遣形態」でなければなりません。特定技能「漁業」分野においては、同じ地域内であっても、対象魚種や漁法によって繁忙期・閑散期の時期も異なり、地域内における業務の繁閑を踏まえた労働力の融通、雇用・支援の一元化といった漁業現場のニーズに応えるため、漁業分野の事業者による直接雇用形態に加えて、労働者派遣形態により1号特定技能外国人を受け入れることが不可欠だと考えられています。 (参考:特定技能「農業」分野)
8.特定技能「漁業」分野の特定技能2号での受入れ及びその要件について
特定技能「漁業」分野において、2022年1月1日時点において、特定技能2号での受入れは認められていません。
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