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1号特定技能外国人支援計画とは?内容は?
最終記事更新:令和6年6月7日
執筆(文責):行政書士 野村 篤司
①1号特定技能外国人支援計画とは何か
~改正入管法第2条の5第6項~
改正入管法第2条の5第6項に規定される、「~当該機関が当該外国人に対して行う、同号に掲げる活動を行おうとする外国人が当該活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援(略)の実施に関する計画」のことを「1号特定技能外国人支援計画」と言います。
「1号特定技能外国人支援計画」の内容は?具体的には、どういったことを記載する?
「登録支援機関」が提供する具体的な支援内容(1号特定技能外国人支援)として、下記に掲げる事項が記載されなければなりません(特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令第2条)。ここに記載されたことの全部の委託を受け、適切に実施することが「登録支援機関」の職務内容になります。
(1)次に掲げる事項を含む職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援内容
イ:1号特定技能外国人に係る在留資格認定証明書の交付の申請前(又は変更申請前)に、当該外国人に対し、特定技能雇用契約の内容、当該外国人が本邦において行うことができる活動の内容、上陸及び在留のための条件その他の当該外国人が本邦に上陸し在留するに当たって留意すべき事項に関する情報の提供を実施すること。(事前ガイダンス)
ロ:当該外国人が出入国しようとする港又は飛行場において当該外国人の送迎をすること
ハ:当該外国人が締結する賃貸借契約に基づく当該外国人の債務についての保証人となることその他の当該外国人のための適切な住居の確保に係る支援をすることのほか、銀行その他の金融機関における預金口座又は貯蓄口座の開設及び携帯電話の利用に関する契約その他の生活に必要な契約に係る支援をすること。
二:当該外国人の入国後(又は在留資格変更後)、次に掲げる事項に関する情報の提供を実施すること
①本邦での生活一般に関する事項
②当該外国人が履行しなければならない又は履行すべき国又は地方公共団体の機関に対する届出その他の手続
③当該外国人からの相談又は苦情の申出に対応するこことされている者の連絡先及びこれらの相談又は苦情の申出をすべき国又は地方公共団体の機関の連絡先
④当該外国人が十分に理解することができる言語により医療を受けることができる医療機関に関する事項
⑤防災及び防犯に関する事項並びに急病その他の緊急時における対応に必要な事項
⑥出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他当該外国人の法的保護に必要な事項
(生活オリエンテーション)
ホ当該外国人が各種届出その他の手続きを履行するにあたり、必要に応じ、関係機関への同行その他の必要な支援をすること。
へ:本邦での生活に必要な日本語を学習する機会を提供すること
ト:当該外国人から職業生活、日常生活又は社会生活に関し、相談又は苦情の申出を受けたときは、遅滞なく、当該相談又は苦情に適切に応じるとともに、当該外国人への助言、指導その他の必要な措置を講ずること。
チ:当該外国人と日本人との交流の促進に係る支援をすること。
リ:当該外国人が、その責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合においては、公共職業安定所その他の職業安定機関又は職業紹介事業者等の紹介その他の他の本邦の公私の機関との特定技能雇用契約に基づいて法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号に掲げる活動を行うことができるようにするための支援をすること。
ヌ:支援責任者又は支援担当者が当該外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施し、労働基準法その他の労働に関する法令の規定に違反していることその他の問題の発生を知ったときは、その旨を労働基準監督署その他の関係行政機関に通報すること
②1号特定技能外国人支援計画の全部の実施は「登録支援機関」に委託することが可能!
~1号特定技能外国人支援計画実施の全部委託が可能~
特定技能所属機関(受け入れ期間・雇用する企業)が、1号特定技能外国人支援計画を自社で実施するには、ノウハウの有無や人的・時間的な都合により、難しいことが想定されています。改正入管法では、「登録支援機関」制度が創設され、支援計画の全部の委託を行えば、その義務を果たしているとみなされることとなりました。
この制度により、「自社で1号特定技能外国人を支援することは困難」又は「組織体制的に中立性を担保できない」という中小企業・零細企業においても、1号特定技能外国人の雇用を検討することが可能となります。
「特定技能2号」になれば、支援は「任意」となります
同じ特定技能という在留資格を持つ外国人を雇用していても、「特定技能2号」の方に対する支援は、法律上は任意となります。これは、日本での生活が5年以上に及んでいることを考慮されているからと考えられます。しかし、任意とはいえ、いつでも転職が出来る在留資格であることを踏まえますと、「雇用定着」という観点からは、程度の差こそあれ、特定技能1号の方々と変わらない手厚い支援が求められると考えた方が良いでしょう。
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